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平田栄一サイン本
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謹賀新年 あけましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。

余白の風 求道俳句とエッセイ 第104号 年賀特別

2005.1 発行者:平田栄一

『余白の風』(1990年創刊)は俳句を中心として、

日本人の心情でとらえたキリスト信仰を模索するための機関誌です。

毎月発行しています。どなたでもご自由に投稿・感想をお寄せください。(採否主宰一任)

投稿先 メール掲示板ICF求道俳句板

 

連載 俳句でキリスト教    平田栄一

    クリストの(よわい)なるこそ女に觸れぬ我身こそ      海藤抱壺

(『海藤抱壺句集』三羽の鶴)

海藤抱壺は、自由律俳句で有名な種田山頭火の、東北に住む親友でした。しかし彼は、結核で若い頃から病臥生活を余儀なくされ、「クリストの齢」――イエスが公生活を始めてから十字架にかけられる歳、つまり三十代半ばで早世するのです。自分は仕事もできず、病身のままキリストが生きた年齢になってしまった・・・・そうした悲嘆が最初の「こそ」にこめられています。

抱壺には好きな女性がいたといいます。しかし結婚生活はおろか、恋愛もままならぬ身でした。そういう彼にとってはプラトニックな愛がすべてであり、それ以上は望むべくもないことです。その淋しさ、不甲斐なさのなかで、この句が生まれたのだと思います。結語の「こそ」にその心持ちがにじみ出ています。

俳句は文学ですから、そこに性的なものを詠み込むことはめずらしいことではないし、そう難しいことでもありません。しかし実際、具体的に信仰をもった俳人が、イエスや神を詠いつつ、同時に性を詠うことは、日本のようにキリスト教理解がピューリタニズムに偏っている国では、そうたやすいことではないのです。

掲句はその難しさを越えた希有な作品といえましょう。性を積極的に詠いながら、かつ格調高い句に仕上がっているのは、根底に神あるいは「クリスト」に対する絶対信頼があるからだと思います。

 

新刊紹介 井上洋治神父著『わが師・イエスの生涯』(日本基督教団出版局)

「風」誌に連載途中であった井上師が、「生命をけずるような思いでやっと書き上げ」た渾身のイエス論。生涯のテーマの総決算的作品です。20051月下旬発行予定。ぜひお読みください。

*    *    *

また、平田がここに連載中の「俳句でキリスト教」も、サンパウロより一冊にする運びとなりました。その節 はご購読のほど、よろしくお願いいたします。

既刊:『雨音のなかに』(ヨルダン社)1300円、『やわらかな生き方』(サンパウロ)932円、『人の思いをこえて』(ヨルダン社)1600円、『今を生きることば』(女子パウロ会:品切れ)971円

 

 

<同人作品>

あたかも共同句日記の様相を呈してきましたー(笑)投稿の場を提供してくださっているICF管理者テモテさんにも、改めてお礼申し上げます。

・波の花すくえば潮の香ばかりかな      いう

・賛美歌の 母の気持ちは 永遠に    yohannna

・疼痛や梅雨の走りの雲厚く         栄一

・りすの尾に巻かれてみたき今朝の冬     いう

・梅雨走り切符切られし小猫かな       栄一

・「コウ!」と何恋う空渡るカナダガン    いう

・台風に 地震にテロに 暮れる秋    yohannna

・願わくば 時の流れに 癒されたし   yohannna

・晩秋の雨塵の子は塵に返る        ako

・それぞれに天りんと指し冬木立       いう

・A型の心配性が夏の潮           栄一

・汽車の声に 涙する母に つられ泣き     厳禁

・ベン・ハーの 映画に涙 あらため   yohannna

・塾帰りすいきんちかもくどってんめいかい ako

・十万人死に我夕食卓にあり         いう

・鳩下る水面きらめき父子の契        栄一

・神様が見てるよそれでも撃って出る?    厳禁

・狭い地球そんなに意固地でどこへ行く    いう

・ただ生きて死ぬがよろしと虫の秋      栄一

・けだものにも神にもなれずふるえる俺   ako

・袖を引く猫が抱けよと冬の朝        いう

・メシア待つ学び受験子床のなか       栄一

    誰一人我が言解す人無くば「これはまずし」と笑顔にて言う  いう

・春雲よ、君は摂理を愛せるか        栄一

・若僧のキャッチボールや春うらら      いう

・夕暮れの如き朝が来て晩秋         栄一

 

枯木の間に                SH

・五時半に起きてカーテンをあける/十一月の末とて外は寒い/枯木の間に星が輝いている 金星だ!/神様憐みの中に一日を過させて下さい

・菊が咲き山茶花が咲き/小春日の続く日は空の碧さを心に移したい/神様、ほんの一瞬でも清くなれないのでしょうか

 

テレーズの小さい花 その3         島 一木

・主は/百合やバラに/たとえられるような/偉大な聖人を 望まれましたが/もっと小さい霊魂も/造られました//彼らは/主が 足もとを/ごらんになるとき/その おん目を喜ばせる/小さなすみれや/ひな菊であることを/満足に 思わなければなりません//完徳とは/神さまのみ旨を行うこと/主が 望まれるような者と/なることなのですから (自叙伝原稿A、5、p23)

テレーズ・マルタンについて1:テレーズ・マルタン(カルメル会修道院に入り、幼いイエスの聖テレーズとなる)については、キリスト教信者殊にカトリックの間では知らない人とていないほどの著名な存在だが、クリスチャン人口が1%に満たない日本では御存知ない人も多いと思うので、数度にわたって簡単な紹介を試みようと思う。テレーズ・マルタンは、1873年1月2日にフランスのアランソン市で誕生。1897年9月30日にフランスのリジュー市のカルメル会修道院にて帰天。24歳。聖女というより聖少女と呼ぶ方がふさわしいような若さだが、その著書を読んでいると夭折とは思えないような人格の完成と深さが感じられる。

 

 

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